認知症と物忘れの違い|認知症を「天然」と6年間見過ごした私の体験から学ぶ初期症状の判断基準

物忘れと認知症の違い

親の「いつもと違う」行動

単なる物忘れなの?

それとも認知症の初期症状なの?

の判断に困っているみなさん、こんにちは

ムスメです

わたしは母の変化に違和感を感じながらも

6年間という長期間、医療機関への受診を先延ばしにしてしまいました

あの時わたしが、認知症と物忘れの違いを正しく理解していれば!!

もっと早く適切な治療につなげることができたかも、と後悔しています

この記事では私の実体験を交えながら、認知症の初期症状と正常な物忘れの違いを詳しく解説します

このブログは、わたしが介護を通して経験したことは、調べた内容などをお話しています
記載内容の医学的・法律的なことは、必ず専門家へご相談ください

ブログの主な登場人物のプロフィールはこちらから↓

目次

母の「天然」は認知症だった。6年間見過ごしてしまった私の体験談

最初に感じた違和感と「いつもの天然」という思い込み

わたしが母の行動に最初に違和感を覚えたのは、母との海外旅行の時でした

ムスメが感じた具体的な違和感に関しては、こちらの記事をお読みください

当時のわたしは、旅行中こそ危機感を感じていました

が、帰国すると日々の生活に追われて、

ムスメ

お母さんは天然やからなー

と、違和感をスルーしていました

「年とったら誰でも物忘れが増えるやん?」

「お母さん、昔からおっちょこちょいやし」

そうやってわたしは自分に、「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせていました

だって、自分の親が認知症になるなんてこと

想像するだけで、めちゃくちゃ怖くないですか?

でも、この

「いつもの母」と思い込みたい私の気持ちが、治療を遅らせてしまったんです

医療機関受診へのハードルが高い

母のおかしな行動が増えてきても、すぐに医療機関を受診することはありませんでした

その理由はいくつかあります

本人の抵抗感

  • 「私は認知症じゃない」という強い否認
  • 精神科や物忘れ外来への偏見
  • 「まだ大丈夫」という過信

家族側のためらい

  • どの医療機関を受診すべきか分からない
  • 本人を説得する難しさ
  • もしかしたら本当に認知症だったらどうしよう」という恐怖心

このような心理的なハードルが重なり、結果的に6年間も治療開始を遅らせてしまいました

我が家の場合、1度は本人が

帰ったら検査に行く

と言ったのに、結局わたしが怖くなってうやむやにしてしまいました

認知症と物忘れの違い|見逃しやすい初期症状の判断基準

朝ごはんを食べたかどうか忘れたハハ子

正常な物忘れの特徴とは

まず、正常な物忘れの特徴は以下のとおりです

正常な物忘れの特徴

  • 体験の一部を忘れる
  • ヒントがあると思い出せる
  • 日常生活に大きな支障はない
  • 忘れたことを自覚している
  • 時間の感覚は保たれている
  • 判断力は正常

例えば、「昨日の夕食のメニューが思い出せない」というのは正常な物忘れです

でも、昨日夕食を食べたかどうか分からないとなると、認知症の可能性を考える必要があります

出典:国立長寿医療研究センター「もの忘れと認知症の違い」、政府広報オンライン「知っておきたい認知症の基本」(厚生労働省)

認知症の初期症状|これらのサインを見逃さないで

認知症の初期症状は、正常な物忘れとは明確に異なる特徴があります

以下のサインが複数見られる場合は、早めの受診を検討してください

認知症初期症状のチェックポイント

  1. 記憶の問題
    • 体験全体を忘れる(食事をしたこと自体を忘れる)
    • ヒントがあっても思い出せない
    • 忘れたことを自覚していない
  2. 時間・場所の混乱
    • 今がいつなのか分からない
    • 慣れた道で迷う
    • 約束の時間を頻繁に間違える
  3. 判断力の低下
    • 季節に合わない服装をする
    • 同じものを大量に購入する
    • 料理の手順が分からなくなる
  4. 言語の問題
    • 適切な言葉が出てこない
    • 文章の理解が困難になる
    • 会話の内容についていけない

出典:厚生労働省「認知症施策の総合的な推進について(参考資料)」
国立長寿医療研究センター「認知症情報ポータル」、政府広報オンライン「知っておきたい認知症の基本」

「物忘れ」と「認知症」を区別する5つのチェックポイント

単なる「物忘れ」や「天然」と、「認知症」の初期症状はこんなところが違います

1. 忘れ方の質の違い

  • 物忘れ:「あれ、何しようとしたんだっけ?」(行動の一部を忘れる)
  • 認知症:何をしていたか全く覚えていない(体験全体を忘れる)

2. 自覚の有無

  • 物忘れ:忘れたことを自覚し、笑い話にできる
  • 認知症:忘れたことを認めない、または気づいていない

3. 日常生活への影響

  • 物忘れ:基本的な生活に問題はない
  • 認知症:日常生活に支障が出ている(道に迷う、料理ができない)

4. 進行性の有無

  • 物忘れ:加齢に伴い緩やかに変化
  • 認知症:明らかに以前よりも内容が悪化し、回数が増えている

5. 周囲の反応

  • 物忘れ:家族も「いつものこと」として受け流せる
  • 認知症:複数の家族や友人が「やばい」と感じる

こちらのリストを参考に、ぜひご両親の様子をチェックしてみてください

認知症と正常な物忘れの比較図表

認知症と正常な物忘れの違い

症状の特徴を比較して理解しましょう

😊 正常な物忘れ(加齢)

🧠 忘れ方の特徴
体験の一部だけを忘れる
例:「昨日何を食べたか思い出せない」
でも「昨日食事をした」ことは覚えている
💡 ヒントへの反応
きっかけがあれば思い出せる
例:「卵を買い忘れたでしょ」と言われて
「あ、そうだった!」と思い出す
😌 自覚について
忘れたことを自覚している
例:「最近物忘れが多くて困る」
「うっかりミスが増えた」
🏠 日常生活への影響
基本的な生活に支障なし
例:料理、掃除、買い物など
普段の活動は問題なくできる
📈 進行の特徴
ゆっくりとした変化
例:年単位での緩やかな変化
訓練により改善の可能性あり
😊 感情・性格
大きな変化なし
例:以前と変わらない性格
意欲や関心も維持されている

⚠️ 認知症による物忘れ

🧠 忘れ方の特徴
体験全体を忘れてしまう
例:「昨日食事をしたこと自体」を忘れて
「まだ朝食を食べていない」と言う
ヒントへの反応
ヒントがあっても思い出せない
例:「さっき食事したでしょ」と言っても
「そんなことはない」と否定する
😕 自覚について
忘れたことを認識できない
例:物忘れの指摘に対して
「そんなことはない」と反論する
🏠 日常生活への影響
徐々に支障が出始める
例:料理の手順を忘れる
道に迷う、約束を忘れる
📉 進行の特徴
比較的早い進行
例:数ヶ月〜年単位での明らかな変化
以前よりもできないことが増える
😟 感情・性格
変化が見られることが多い
例:怒りっぽくなる、疑い深くなる
意欲の低下、興味関心の減退

まとめ:「天然」という思い込みを捨て、認知症サインを見逃さない!

私は6年間の迷いと後悔の体験から、認知症と物忘れの違いを正しく理解することの重要性を痛感しています

重要なポイントのまとめ

1.「いつもの性格」という思い込みを捨てる

  • おかしな行動を「天然」で片付けない

2.正常な物忘れと認知症の違いを理解する

  • 「朝ごはんに何を食べたかわからない」と「朝ごはん食べたかどうかわからない」は大違いと理解する
  • 本人の「忘れたことへの自覚」の有無が重要だと理解する
  • 日常生活に支障が出ている場合は、すぐに動く⇒簡易チェック、かかりつけ医への相談

しっかり者のお父さん、お母さんのおかしな行動は気づきやすいと思います

我が家のように普段からおっちょこちょいのお父さん、お母さんの場合こそ気をつけて欲しい!

みなさんが、わたしと同じ思いをしなくてすみますように

と、願いをこめてブログを書きました!!

この思いが伝わりますように!

この記事が参考になった方は、ぜひ同じような悩みを持つ方にシェアしてください

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

アルツハイマー型認知症の母と
脳内出血が原因で左半身麻痺になった父の子ども
47才で父と母がふたりとも「要介護」状態に
ムスメが父と母を通してみた「要介護の世界」をお伝えしていきます

目次