アルツハイマー型認知症初期症状|母の認知症初期症状を6年間も見過ごした私の後悔と早期発見の重要性

認知症は早期発見で未来が変わる

親の最近のちょっとおかしな感じって、「認知症の始まり」なの?

違うよね?

と、親の違和感を見過ごしそうになっているみなさん、こんにちは

ムスメです

わたしこそ、親のおかしな行動に6年間も見過ごしてしまった張本人です

わたしは認知症の初期症状をいつもの「天然」と判断し、6年間も検査を先延ばしにしてしまいました

そのために

ムスメ

認知症検査なんてさせなければよかったな

と、あとあと苦しむことになったんです

この記事は、そんなわたしの実体験をもとに「認知症の早期発見の重要性」についてお伝えしていきます

同じような状況で悩んでいるみなさんの参考になればうれしいです

このブログは、わたしが介護を通して経験したこと、調べた内容などをお話しています
記載内容の医学的・法律的なことは、必ず専門家へご相談ください

登場人物のプロフィールはこちらから↓

目次

海外旅行で気づいた母の異変【2012年の出来事】

ハハ子とムスメが海外旅行のイメージ

2012年の秋

死ぬまでにいっぺんでいいから海外に行きたい!

という母の願いを叶えるため、わたしと母はフランスへ旅立ちました

当時母は72歳

母はいつも、海外旅行に行くわたしをうらやましがっていました

なので、この海外旅行も当然楽しんでくれるものと思っていました

が、結果は散々(涙)

母は旅行中

全然楽しくない

を連発・・・

わたしはと言えば、旅行中に母のいくつかの気になる行動を目にすることになりました

添乗員さんの説明がまったく理解できない母

最初に違和感を覚えたのは、添乗員さんのスケジュールの説明の時でした

添乗員さんは毎日、観光が終わってその日泊まるホテルに向かうバスで、翌日のスケジュールをみんなに説明してくれました

明日は朝からルーブル美術館に行って、午後は自由行動です

添乗員さん添乗員さん

これを聞いたら

「あ、明日の予定だな」、と誰でも理解できますよね

だって、もう夕方だし

ですが、母は

こんな夕方からルーブル美術館に行くの?

と、わたしに真剣に聞きかえすんです

それが初日から最終日まで、毎回

「え、今から行くの」と言っていました

母は添乗員さんが「明日の予定を話しているんだ」、ということがずっと理解できなかったんです

ムスメ

おかあさん、ちょっとおかしい?

これが、母に感じた違和感の始まりでした

深夜の突然の荷物整理

さらに、こんなことがありました

旅行中、母はいつも先に寝ていました

で、わたしが最後に電気を消す

2日間は、このルーティーンで平和な夜を過ごせていました

そして、3日目の夜

母は、またもやばい行動に出たのです

その日わたしが電気を消したのは、深夜0時過ぎ

電気を消してしばらくすると、母が電気をつけました

そしておもむろに、スーツケースの中身を全部出し始めたんです!!

ムスメ

えっと、何してるん??

と聞くと

今から鞄の中を整理するわ

と言うのです!

ちなみに、スーツケースの中に荷物は全部ちゃんと収まっていました

なので、整理する必要はないんです

ムスメ

電気つけるとわたしも寝られないから、明日でよくない?

と言うと、

烈火のごとく怒りだしたんです

私がしたいことを、私がしたい時にやって何が悪いー!!

大声で怒るので、とりあえず好きなようにさせるしかありませんでした

そうして1時間ちかくスーツケースの中身を、出したり入れたりしていました

スーツケースの前で怒るハハ子

わたしは・・・

仕方がないので、それをだまって眺めていました・・・

「あんなにやさしかったお母さんが認知症になったら怒りっぽくなった」

という話をよく聞きます

が、うちの母はもとから自分の思い通りにいかないとすぐに怒る人

なので、「いつものことか」と思っていました

と言いたいところなんですが、

ムスメ

お母さん、やばくない?

と、この時もわたしはしっかり違和感を感じていたんです・・・

飛行機のシートベルト着用サインが理解できない

海外旅行は初めてのうちの母

実は、飛行機に乗るのも人生で2回目でした

なので、日本出発時に

ムスメ

シートベルトのサインが点いてたら、席に座ってなあかんで

シートベルト着用サインをハハ子に説明するムスメ

と、ちゃんと説明しておきました

が、帰りの飛行機で事件は起こります

すっかり、どっぷり眠ってしまったわたし

飛行機の激しいゆれで目を覚ますと、母がいない!

シートベルト着用サインが点いている!!

なので、私もうろうろ歩くわけにはいかない!!!

ムスメ

どうしよう・・・

CAさんにトイレを見て来てもらおうかな、と思った瞬間

悪びれもせず、普通に席に戻ってきました

ムスメ

シートベルトサイン点いてるときは席におらなあかんやろ!

とわたしが怒ると

みんな歩いてるやん

いや、あなた以外はみんなCAさんだから歩いてもいいねん・・・

もしかして、CAさんと普通の人の区別がついてない??

その後何度も、

ムスメ

シートベルトのサイン点いてるから席にいて

と注意するたびに、不機嫌になる始末

ムスメ

日本帰ったら、認知症検査に行かなあかんかな

と、さすがに真剣に考えていました

「天然」と「認知症初期症状」の境界線

旅行中、いくつもの違和感を感じていたわたし

母に「帰ったら認知症検査に行こう」と提案していました

母もなんとなく「自分っておかしい?」って感じていたのでしょうか?

行く

と言っていました

しかし

うちの母は元々「天然さん」

普段から、あさっての方向の発言をすることが多かったんですよね

それに、わたしは両親と離れて暮らしていました

なので旅行後は忙しい日常に追われて、日が経つごとに深刻に考えなくなっていました

家族だからこそ気づきにくい変化

認知症の初期症状は、家族にとって判断が最も困難だと思います

なぜなら、その人の性格や癖として長年受け入れてきた行動との境界線が曖昧だからです。

「お母さんって昔からあんな感じよなー」

「年とったら、誰でもこんな感じなんちゃう?」

こうした思い込みが、早期発見の機会を奪ってしまうんだと思います

日常生活で現れた新たな症状

母のおかしな行動は、少しづつ増えていきました

  • わたしと電話しているのに、途中からわたしのことを母の妹の名前で呼びはじめる
  • 息子(兄)の事を人に説明するときに、母の弟の名前で呼ぶ
  • 郵便ポストに金融機関のチラシが入っているだけで、父が借金していると思い込む
  • 何度も味噌汁に味噌を入れ忘れるなど、長年作り続けてきた料理の手順を忘れる
味噌汁に味噌がはいっていなくて困ってるチチ男

あきらかに、おかしいですよね?

でも、この頃はまだ年に数回、こんなおかしなことがあるだけでした

なので、

ムスメ

次またこんなことがあったら検査に行こう

と、わたしはまたもや先延ばしにしてしまったんです

なぜ6年間も検査を先延ばしにしてしまったのか

2012年から2018年まで、実に6年間もの間、わたしたちは認知症検査を先延ばしにし続けました

いま振り返ってみると、家族特有の心理的な要因が大きく影響していたなと思います

抵抗感と現実逃避

自分の親や妻が「認知症」という現実を受け入れたくない気持ち

それが、わたしたちの判断を曇らせていました

「もしかしたら認知症かもしれない」という不安

「そんなはずはない」という否定の気持ち

そのふたつが常に心の中で戦っていました

でも最終的には「大丈夫」って、思いたい気持ちが勝ってしまいまたんですよね・・・

「うちの母さんは大丈夫」という根拠のない自信

最初の違和感から数年間は、ほとんどの日が普通でした

なので、たまにおかしな行動をしても

「お母さんは天然やから、これくらい変なことは昔からあったよな」

と、家族で変な確認をしあっていました

我が家の幸運

6年も前から母の違和感に気づきながら、放置してしまったわたしたち家族

いったいどうやって、母が検査を受けることになったのか

それは、母が自分から

認知症の検査に行く

と言ってくれました

そのきっかけは、ご近所の母と仲良くしてくれていた20代の女性のおかげでした

「ハハ子さん、認知症の検査を受けてみたらどうですか?」

と言ってくれたんです!

「ハハ子さん、最近、私の母と同じようなことを言っているので気になります」

「ハハ子さん、検査にいって何もなければ一緒に笑い話にしましょう」

彼女のお母さんも認知症だったそうです

どんなに仲良しでも他人に「認知症の検査」をすすめてくれる人は、そうそういないと思います

娘のわたしですら、ずっと言えなかったことなのに(申し訳ない・・・)

いまでも本当に感謝しています

言い訳でしかありませんが、その頃のわたしは、仕事と家事の両立で手一杯でした

母が認知症となれば、わたしとオットの生活もいままで通りとはいかない

ムスメ

この違和感は間違いであって欲しい

自分勝手な願望で、認知症を放置してしまう結果になりました

早く治療をした方がいいのは、本人だけではありません

家族も、「もっと早く治療を始めてればよかったな」と自分を責めなくてよくなります

こんな後悔を誰にもして欲しくないな、と思ってこのブログを書いています

認知症の早期発見のメリット

お医者さんとハハ子と家族が笑ている

認知症専門医によると、早期発見・早期治療により、認知症の進行を大幅に遅らせることができるとされています

みなさん、少しでも長くご両親と普通に会話したいですよね?

先日、母がわたしにいじわるばかり言うので

「こんにゃろめー」と思って、ハハ子とけんかしました

でも、「いじわるでも、認知症治ってよかったー」ってめちゃくちゃうれしくて!

でも夢でした

悲しいくらい、夢でした

あまりにも夢がリアルすぎて、めちゃくちゃうれしかった

だから、目覚めてから思わず泣いてしまいました

こまっているムスメの顔

ちなみに、現在のハハ子はもう何を言っているのかわかりません

夢に見るくらい、わたしはもう一度だけでいいからハハ子と普通に会話したいです

いままだ「疑わしい」と思っている段階のあなたなら、まだ間に合います!

親と普通に会話できる期間を延ばすチャンスを、絶対逃さないでくださいね

早期に治療を開始できる

現在、残念ながら根本的な治療法はまだ確立されていません

でも、医学もどんどん進歩しているみたいです

少し探してみただけでも、こんな情報を得ることができました

MCI(軽度認知障害)段階での適切な治療・介入で、認知機能が正常まで回復する可能性は14~44%とのデータも存在します
参考サイト:https://cog-selfcheck.jp/column/s51/

軽度認知障害の段階で治療を始めれば、正常に戻るかもしれない!

めちゃくちゃ夢のあるニュースですよね

家族の準備期間が確保できる

早期発見により、家族が介護への準備をする時間が確保できます

これって、めちゃくちゃ重要です

我が家の場合、お金に関することは全てハハ子が管理していました

チチ男はお金を持ったら全部使っちゃう困った人なんです

だから、ハハ子は家にどれくらいお金があるか内緒にしていました

なので、ハハ子が私に説明できないとなると把握するのが大変でした

それから、介護する人(ムスメ)が仕事をどうするのか?(時短?転職?)

どれくらい介護に関わるのか?(同居?近くに住む?)

あと、最後をどうして欲しいのか(お葬式して欲しい?どのお墓に入りたい?)

そういう準備を、きちんとすすめることができます

認知症じゃなくても、できるだけ早く家族で話し合っておいて欲しいなと思います

まとめ:後悔しないために今すぐ行動を

家族が縁側で笑っている

私が母の認知症初期症状を6年間も見て見ぬふりしてしまった経験から学んだこと

それは「おかしいな」と感じたその時が、行動を起こすべきタイミングだ、ということです

  • 家族だからこそ見えにくい変化
  • 「大丈夫だろう」という希望的観測
  • 検査への心理的ハードル

など、様々な要因が早期発見を妨げます

でも、認知症は早期発見・早期治療により、その後の人生の質を大きく変えることができる疾患でもあります

もしあなたが今、家族の変化に不安を感じているなら、まずは気軽にできるセルフチェックから始めてみてください

簡単なセルフチェックの方法はこちら↓から

そして、少しでも気になることがあれば、まずはかかりつけのお医者さんに相談することをおすすめします

このブログの冒頭でわたしが

ムスメ

認知症検査なんてさせなければよかったな

と苦しんだと書いてましたよね?

早く検査した方がいいよ、って勧めるブログなのに

なぜ、わたしはなぜ検査しなければよかったと思ったのか

それは母が認知症と診断された時点で、すでに初期の段階ではなかったからです

進行はしていても、まだ普通の時もありました

つまり、普通の時の母は「自分の認知症がどんどん進行していく恐怖」に耐えなければなりませんでした

その母の恐怖を考えると、「かわいそうなことしちゃったな」と後悔していたんです

もともとは超ポジティブ人間のわたしなので、初期段階であれば一緒に戦ったと思います

でも母はあきらかに、その時期を通り過ぎていました

手遅れ、というやつです

「あの時もっと早く行動していれば…」という後悔をあなたが抱えないために

このブログがあなたの背中を押せたらいいな、と思ってます

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この記事を書いた人

アルツハイマー型認知症の母と
脳内出血が原因で左半身麻痺になった父の子ども
47才で父と母がふたりとも「要介護」状態に
ムスメが父と母を通してみた「要介護の世界」をお伝えしていきます

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